
前回は申告義務がある場合についてご説明しましたが、今回は控除などを受けるために申告が必要な場合です。つまり、これだけの場合は、申告しなくてもよいのですが、したほうが有利になるケースです。
控除を受ける場合
確定申告によって受けられる控除は課税所得を下げることで税額が抑えられる「所得控除」と計算された税額から控除を受ける「税額控除」あります。
前者は医療費控除、寄付金控除、雑損控除、各種保険料控除など
後者は住宅ローン控除、寄付金控除、配当控除、外国税額控除などがあります。
個別に説明すると長くなるので、ここでは紹介に止めますが、
前者は領収書や控除証明書を基に申告書を作成するだけですが、後者は書類添付のほかに、適用を受けるための書類作成も必要です。
寄付金には所得控除と税額控除両方ありますが、どちらを使えるか、どちらも使えるか、どちらも使えないかは寄付金の種類、相手によって異なります。寄付をした時に貰える領収書に記載があるので、まずはこちらを確認します。
住宅ローン控除は1年目は確定申告が必須です。
2年目以降は年末調整で完結できるようになりますが、必ず初年度の申告が必要で、後からやり直しがききませんのでご注意ください。
外国税額控除は海外での勤務のほか、ストックオプション、RSUを海外証券口座で管理されている、外国株へ投資を行っている場合などで対象になります。
特に最近は気軽に外国株投資ができるようになって実は対象となるケースがあります。
税額還付がある場合
前回確認した通り、給与、年金のほかの所得が20万円以下であれば申告しなくてもよいのですが、申告したほうが源泉所得税が還付される場合があります。
一般的なものでは副業、アルバイトで乙欄源泉されている場合、年金受取りが複数ある場合で源泉されているものがある場合、報酬・原稿料などで源泉徴収された支払いを受けた場合などがあります。
支払い時の源泉徴収税額は概算で行われるため、すべての所得を合算して計算しなおして、源泉された税額が多ければ還付を受けることができます。
株取引で損失がある場合
特定口座では年間の損益を精算していますが、相殺した結果株取引の年間取引がマイナスとなった場合、確定申告をすることで損失を3年間繰越することができます。
これにより、来年利益が出た場合に相殺することができます。
この手続きは毎年継続して確定申告が必要になるので、取引がなくても繰越があるときは確定申告が必要です。
確認は十分に
よくあるものを並べてみました。
挙げていくときりがないのですが、適用を受ける場合は国税庁の案内などをご参考に申告を行うか、税理士へご相談ください。
国税庁へのリンクページか!と言われそうですが、正確さは間違いないので、適当なSNS発信よりもこちらをお勧めします。
これからいろいろ確定申告ネタのSNS投稿が増えますが、ケースバイケースなのに自己体験だけで出来ているもの、不正確なものも少なくないですし、間違っていたとしても責任も取ってくれません。
きちんと確認しながらお手続きいただくのが一番です。
確定申告のご相談は当事務所でもお受けしております。
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