年末も迫って、ふるさと納税をご検討の方も多いと思います。
ふるさと納税って実際お得なの?上限って?というご質問もよくいただきますので、簡単な説明などしてみたいと思います。
結論から言うと、節税ではありません。
ざっくりした仕組みは払った額-2,000円が所得税と翌年の住民税から差し引かれるので、調整されない2,000円だけマイナスです。返礼品でもらったものがプラスになるので、お得かどうかはその差引きで決まります。
実質は確定申告の所得税と翌年の住民税の前払いです。
なので、節税だけが目的であれば意味がありませんのでお勧めしません。しかも上限を超えたら完全に無駄な出費です。
前払いですので、例えば今年不動産を売って大きく利益が出たため来年の住民税納付の負担が心配といった場合は、来年の支払いの負担を軽減させるという点で有効です。
自分の納税先を自分で決定する、税金の使い道を自分である程度指定したい方にとっても意味のある事です。自分の意思で応援したい自治体に寄付するのであれば、上限を超えたところで寄付していることに後悔はないと思います。
上限って?
ふるさと納税をした金額のうち、自己負担の2,000円を除いて所得税、住民税から差し引かれるというのが原則ですが、差し引く金額に上限があります。
そもそもかかっている税金が5万だったとして、それより多く10万ふるさと納税しても、引ききれません。正確には所得割の20%という上限設定があり、いくらかは所得によって変わります。
超えた部分はどうなるか、というと純然たる寄付です。
しかし上限は最終的な所得によって決まるので、年が終わるまでわかりません。
頑張って寄付していたら上限を上回る可能性はありますが、一般的には前年所得などを基準にある程度上限を意識して寄付額を決める方が多いです。
返礼品は課税対象です
ちなみに、返礼品は一時所得として課税対象です。
とはいえ、一時所得は50万円まで非課税なので、他に大きな収入がなければそこまで心配しなくても大丈夫です。
そもそも返礼品がいくらなのかわかりませんので、一般的な水準として寄付額の3割と言われていますが、在庫処分か、特注品か、本当はいくらかはわかりませんよね。
善し悪しという点では?
自治体に本来入るべき税収が他所に引っ張られてしまうので、世の中には税制度をゆがめる悪であると強い言葉で批判されている方もいます。
実際、住民税からの税収が減少してしまうと地元の自治体の運営に支障が出るため、頑張って寄付するほど実は自分の生活を犠牲にしているかもしれません。
個人的にはほどほどなら欲しいもののお取り寄せや応援であればやってみてもよいのでは、と思います。繰り返しますが、節税にはなりませんし、返礼品の規制も厳しくなって定価で買ったほうが安いので、そこはよく考えたほうが良いです。
私の場合、災害した先へのリターンなしの寄付はたまに利用します。
案外欲しいものが思いつかないし、そもそも、欲しいものって自分で買うから意味があると思うので。
と、かっこいいこと言いつつ、以前張り切ってA5ランク牛肉を頼んでみたものの、立派すぎて胸焼けして散々だったので、身の丈ってあるなと思ったのでした。